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2011年度夏季
セミナー結果報告書
セミナータイトル
腐食防食の基本とノウハウ
主催:(社)腐食防食協会
・・・・・・・・関西支部
協賛: (社)電気化学会、 (社)表面技術協会、 (社)日本鉄鋼協会、 (社)日本金属学会、 (社)軽金属学会、 (社)日本材料学会関西支部、 (社)日本伸銅協会、 ステンレス協会、 (社)火力原子力発電技術協会、 (社)化学工学会、 (社)石油学会、 (社)日本防錆技術協会(依頼中)
2011年度夏季-金属の腐食・防食セミナーは、金属、化学関連各社多数の協賛を得て、定員50名のところをほぼ満席のご参加を戴き無事終了いたしました。又、講師の先生方は例年4名のところを6名に増員し、腐食防食対策の範囲を広げると共に、全講座をコーディネートしていただく司会者の方にも参加していただきました。質疑応答も公開、非公開方式で対処しました。講演の概要を下記のとおりご報告致します。
と き :8月23日(火)9時~18時
ところ :大阪大学 吹田キャンパス 材料開発・物性記念館
・・・・・(阪急北千里駅より徒歩15分)
大阪府吹田市山田丘2-1(電話06-6879-7470)
参加費 :講習会 4,000円(資料一部付き)

プログラム (9時~18時)
セミナー要旨
地球資源は有限であり,枯渇化は避けて通れません。金属資源も例外ではありません。金属材料を大事に、効率的に使用する事が今後ますます必要になります。
腐食損傷による金属材料の無駄使いを防ぐために,何故腐食したかの原因を理解し,防食のノウハウを知って,金属の浪費を防ぐことに重点を置いて講演します。腐食防食にかかわる材料、環境、表面処理、塗料などを網羅して、個別腐食問題相談会,および技術交流会を通じて,講演者と参加者間の交流を深めたいと考えています。
1.開催挨拶と司会者の紹介 (9.00-9.05)
セミナーの開催にあたり挨拶をされた (社)腐食防食協会関西支部長 大阪大学 藤本慎司先生(左写真)
全講座をコーディネートし、司会を担当された住友金属工業(株)総合技術研究所の幸 英昭 氏(右写真)
2.金属材料の腐食防食の基本 (9.05-10.00)
講 師 :長野 博夫
プロフィール :
工学博士、技術士(金属分野)、腐食防食専門士、APEC Engineer(アジア太平洋経済協力会議 技術士 材料工学) 
株式会社 材料・環境研究所 代表取締役 
   金属材料は我々の身の回りのあらゆるところに使用され、社会資本をはじめ、産業、文化、生活上の必需材料になっている。昨今、鉄の製造に必要な鉄鉱石や石炭、或いは非鉄鉱石レアメタルなどの資源の値上がりと枯渇化が問題となっている。資源の有効利用の観点から、腐食の基礎について解説された。
また、関連する、新刊書:「よくわかる最新さび基本仕組み」が紹介された。当書籍の概要はこちらを参照下さい。
3.ボイラー水処理の基本とノウハウ (10.00-10.55)
講 師 :川辺 允志
プロフィール :
工学博士、技術士(衛生工学分野)、腐食防食専門士、株式会社 関西テクノカンパニー 取締役   

   ボイラー水処理の検討に際しては、物質収支、エネルギー収支、経済収支の3収支を基礎にし、平衡よりは反応速度が重視される。
また、ボイラー水処理の基本は腐食の制御とスケールの制御であり、これらの制御法について解説された。
4.高温腐食の基本と防食のノウハウ (11.05-12.00)
講 師 :中森 正治
プロフィール :
工学博士、技術士(金属分野)、腐食防食専門士、北海道大学 エネルギー変換マテリアルセンター客員教授、
株式会社 高温腐食・防食テクノサーチ 代表取締役 
   腐食は使用環境において使用材料がより安定な形態に変化する化学反応である。その中で高温腐食は一般にガス環境で発生するため、酸素と水(液)が関与する湿腐食(Wet Corrosion)に対して乾腐食(Dry Corrosion)とも呼ばれる。この高温腐食はさらに5形態(①ガス腐食、②溶融塩腐食、③左記の複合腐食、④溶融金属腐食、⑤高温腐食・磨耗)に分類され、この形態について、詳しく解説された。
5.腐食防食専門士制度の紹介 (13.00-13.20)
講 師 :中森 正治
   腐食防食に関する高度な知識と広い経験を有する技術者は、腐食防食協会にて、各種の審査をえて、腐食防食専門士として認定される制度がある。この制度の受験資格、試験の内容、専門士のネットワーク、活動状況等が紹介された。
6.非鉄系金属材料の腐食特性と防食対策 (13.20-14.15)
講 師 :舛形 剛
(プロフィール):
講演予定者の(株)科研テック、藤原講師は体調を崩され、出席不可となったため、急遽、代理講演を戴いた。
   非鉄系金属材料は鉄鋼材料に比べると使用量は少ないが、機器類の重要部材として使われる場合が多いだけに、その防食は極めて重要である。また、非鉄系金属材料と言っても、ニッケル系、チタン系、銅合金系、各種貴金属系等多様である。この講演においては、アルミニウム(合金含む)、銅(合金含む)、チタン(合金含む)に限定して、それらの腐食特性、腐食事例について解説された。
7.表面処理鋼板の基本とノウハウ(14.15-15.10)
講 師 :清水 剛
プロフィール :
日新製鋼(株)技術研究所、表面処理研究部
実際にメッキ鋼板を製造販売されている立場から
1、表面処理鋼板の種類と製造方法
2、Znメッキ鋼板の特徴
........ (・防食のしくみ、・Zn合金のメッカ、・使用上の注意点)
3、Alメッキ鋼板の耐食性
........この3項目に関連して詳しく解説された。
8.塗膜下腐食と塗装による防食設計 (15.20-16.15)
講 師 :奥村 美明
プロフィール :
日本ペイント(株)R&D本部・基礎研究所・防食研究グループ
   塗料の主要な機能は保護と美観である。そして、塗装金属は金属と塗膜の複合材料であり、被塗物である金属素材と化成処理皮膜、塗膜の特性がうまく調和した時に最良の保護機能、防食機能が発現する。 近年は環境対策から有害物の削減、一方では長期防錆保障の要求があり、このような状況に則した最適防食設計の基本が解説された。
9.質疑応答 (16.15-16.50)
   質疑応答のセッションでは、講演内容における疑問点や、参加者が現実にかかえておられる腐食問題に関し、各種の質問が相次ぎました。問題点に関連した、講師の方々は対応法に関して、丁重に解説された。
10.技術交流会 (17.00-18.00)
   最後のセッションでは、立食パーティ風の技術交流会が開かれました。主催者側から藤本先生をはじめ、司会者、講師全員が参加し、参加者との親睦交流が計られました。
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